2010年01月13日
ブランドの土台となるものは?
前回のコラムで、小さな会社がブランドを構築するために重要なことは、
「経営者の決意」や「ミッション」であり、それを顧客に伝える努力の必要性
についてお伝えした。
すると、いくつかご質問を頂いたので、今回はそのご質問にお答えしたい。
その質問とは、
『お客に伝える「経営者の決意」とはどのようなものなのか、具体的に
教えて欲しい。』というもの。
真剣に情報提供に取り組もうとされている質問。そこで、私が知っている事例を
2つご紹介したい。
【事例1:社会保険労務士事務所】
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この方は、住み込みで働きながら、大学に通っていたそうだ。その住み込みの
バイトは、残業代もなしにこき使われ、労働者の権利なんてものが、そこには
存在しなかった。
そんな時、大学の授業で「労働基準法」というものの存在を知り、「労働者
には権利があり、その権利は法律で認められている」ということを理解した時、
衝撃が走ったそうだ。
それから、社会保険労務士の資格を取得し、労働者、そして経営者に対して、
「お互いの権利を尊重しあう組織づくり」について指導する仕事をしている。
【事例2】リスクコンサルタント・保険販売
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この社長は、製造業の総務部門で働いていた。その業務内で、事故やリスクに
対しての保険を活用したリスク対策も行っていたそうだ。
そんなある日、1人の労働者が機械に巻き込まれ、命を失った。そして、
その出来事による、遺族の悲しみや会社の脱力感など、失うものの大きさを
目の当たりにした。
その時、保険で補償できるのは、事故が起こった後の金銭的なものに限られる。
本当の意味でのリスク対策には、事故が起こらないための対策と、起こって
からの対策の両輪が必要だと実感した。
その後、リスクマネジメントを真剣に学び、現在は、企業にリスクマネジメント
の大切さを伝える指導・研修を行う仕事をしている。
↓ ↓ ↓
このように、
「なぜ、現在の職業についているのか」「何を伝えたくて、仕事を続けているのか」
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ということが明確になると、顧客に対しての報発発信力は非常に高まる。
是非、一度立ち止まって、ご自身と向き合って、「なぜ、この職業を続けているのか?」
という質問に対する答えを考えてみて頂きたい。
そして、その「経営者の決意」や「ミッション」をホームページで・メルマガ・
ニュースレター・レポートなどに掲載して、顧客に発信していく。
すべての顧客が共感してくれるわけではないが、その思いに共感した顧客を
少しずつ増やす努力をすることが、ブランドをつくるための第一歩だ。